代表研究 Mini Evidence
Recoveryモデルに基づく自己調整支援(MOSESプログラム・睡眠リズム支援)
1.背景
慢性的な不調や社会生活の困難を抱える方において、
症状そのものへの対処だけでは十分な回復につながらない場合がある。
特に、自己理解の不足、生活リズムの乱れ、感情調整の難しさは、
学業・就労・対人関係など社会生活全般に大きな影響を及ぼす。
Recoveryモデルでは、
回復とは「症状がなくなること」ではなく、
自分らしく生活するための力を再構築するプロセスとして捉える。
この視点から、MOSES(患者自己教育プログラム)および睡眠リズム支援を活用し、
自己理解と自己調整力の向上を目指した。
2.目的
・自己教育プログラムと睡眠介入が、自己理解および行動変容に与える効果を検討する
・生活リズムの安定が、感情調整および社会参加にどのように寄与するかを確認する
3.方法
・MOSESによる心理教育セッションを実施
・睡眠リズム調整(起床時間固定・活動量調整・就寝ルーティン形成)
・介入前後の変化を行動観察および面接で評価する
・症状の軽減ではなく、生活行動の変化と自己理解の進展に焦点を当てた
4.主要結果(概要)
・自己理解と自己決定の向上により、行動の主体性が高まった
・睡眠リズムの安定が、気分変動と社会生活への参加意欲に肯定的な影響を与えた
・自己教育と生活リズム調整の併用が、行動変容の維持に有効であった
5.臨床的意義(Recovery視点)
・自己理解への気づきが、行動選択の幅を広げる
・生活リズムの安定が、感情調整および行動継続を支える基盤となる
・日常生活における小さな成功体験の積み重ねが、自己効力感の回復につながる
6.まとめ
MOSESと睡眠リズム支援は、症状の有無に依存しない
「主体的に生きる力」の回復を促す実践的支援である。
自己理解と生活基盤の安定によって、長期的な行動維持と社会参加を支え得る。
7.関連発表
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