代表研究 Mini Evidence
神経心理評価(MSPA × WAIS)による認知特性理解と支援方法の検討
1.背景
社会生活に困難を抱える方の支援では、表面に現れる行動や感情だけで判断するのではなく、
その背景にある「認知特性(情報処理のスタイル)」を理解することが重要である。
同じ課題でも、言語的整理で理解が進む人もいれば、
視覚的・感覚的な情報で理解が深まる人もいる。
これらの違いを明確に把握するため、神経心理評価(MSPA、WAIS)を用いて
認知特性を客観的に評価し、臨床支援のアプローチ選択に活用した。
2.目的
・認知特性の理解が支援効果にどのように影響するのか確認する
・検査による客観的評価が、支援方法の選択基準として有効か検討する
3.方法
・MSPA、WAIS-III、WAIS-IVを使用
・言語理解力、視覚認知、注意、処理速度などの特性を整理
・検査得点は使用せず、特性の傾向・解釈のみ取り扱う
・臨床支援へのフィードバックに活用
4.主要結果(概要)
・言語性が優位な場合:対話、構造化、言語整理の支援選択によって理解と行動が促進
・視覚/感覚処理が優位な場合:アートなど視覚情報を媒介とすることで内面整理が促されやすい
認知特性に合わせた支援方法の選択が、自己理解の促進、行動変容につながった。
5.臨床的意義(Recovery視点)
・自己理解の促進
・感情調整の可能化
・行動変容
・社会参加
支援において「ArtかCounselingか」という二者択一ではなく、
認知特性に基づき最適な手法を選択・統合する重要性が示された。
6.まとめ
神経心理評価は支援における迷いを減らし、
その人に合わせたアプローチを選択するための重要な臨床的指標となる。
7.関連発表
第7回全国てんかんセンター協議会(広島)2020 優秀ポスター賞
第62回京滋奈良てんかん懇話会 2021